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舌バカ一代による、タイ料理初体験記

 

「辛い」とか「すっぱい」とか刺激のある食べ物があまり得意ではないので、エスニック料理はいままで敬遠していたジャンルでありましたが、タイの芝居に出るというのにタイ料理のひとつも食べたことがないではおハナシになりません。

 

というわけで、「苦い」「臭い」「ねばねば」「その他もろもろ」と嫌いなもの多数の夫を無理やり付き合わせる形で舌貧乏夫婦が向かったのは、地元練馬でもおいしいと噂の

 

チョークディ看板チョークディ店構え

 

CHOKDEE(チョークディ)という、タイ料理専門店でした。

 

 

「タイ王国」というだけあって、タイでは王様が国民からもうとんでもなく愛され敬われているんだそうで、このお店にも

 

いまの王様むかしの王様

 

王様の写真が、大切に飾られていました。

ホール係の女の子(かわいい)によれば左が「いまの王様」ご夫妻、右が「むかしの王様」なんだそうです。

 

こんなかんじで、取材モード全開です。

隣にいるのはただの夫なので、何の遠慮もいらないのです。

 

 

席に着くなりメニューを広げます。

初のタイ料理、しかも取材なので、“定番”となっている料理は(食べられるだけ)一通り、辛さ控えめとかパクチー抜きとかの調整は一切ナシで、という方向で注文することにしました。

 

だいたい舌がバカでビンボーの私には、悪名高い「パクチー」の味すらまともに思い出せない、というか知らないというか、そんなていたらくなのですから、逆に怖いものなどないのです。

夫は「俺はパクチーはちょっとなー」などと利いた風なことを言っていますが、ただの知ったかぶりだと決めつけることにしました。

 

 

まずは飲み物。

夫はタイビールの定番「シンハー」を、私は早くも謎のドリンク「タマリンドジュース」を注文。

 

シンハービールタマリンドジュース

 

タマリンドとは、調味料にも使われる、マメ科の植物なんだそうです。

あまーいですがそんなにしつこくはなく、言われてみると豆をすりつぶしたもののような食感が、舌にわずかに残る感じです。おいしい。

 

 

続いて、前菜的なニュアンスで注文した

「ポーピア・ソット(生春巻き)」と「ヤム・ウンセン(春雨シーフードサラダ)」

 

ポーピア・ソットヤム・ウンセン

 

生春巻きは、大変やさしいお味。皮が厚めでもちっとしています。おいしい。

 

春雨サラダは、これはこの日注文した中で一番辛い料理でした。

舌がピリピリして、タマリンドジュースの甘さをもってしてもおさまらず、しかしやけに後を引く味。おいしい。

 

そしてこちらも定番らしい

「ガイ・ヤーン(タイ式鶏の丸焼き)」

 

ガイ・ヤーン

 

これはなんでしょうね。タイだのなんだの抜きにして、鶏肉嫌いでない限り、世界中の人がおいしいと言うんじゃないですかね。

塩コショウをきかせて皮をパリッと焼き上げてあります。ちょい辛のソースと、箸休めのチンゲン菜(たぶん)がいいバランス。おいしい。

 

 

さてここまで、意外なほど全部がおいしく、もっと「わー」とか「うおー」とか悶絶する覚悟でいたのですが、肩透かしなほど大人らしいノリで「うん」とか「ほお」とか言いながら、初のタイ料理を楽しむ舌バカ夫婦。

 

 

でも油断してはいけません。

ここからがタイ料理の真骨頂。

 

 

賛否両論飛び交う「トム・ヤム・クン(辛く酸っぱい海老スープ)」

そして「ゲーン・キィァオ・ワーン(グリーンカレー)」が遂に登場しました。

 

トム・ヤム・クングリーンカレー

 

まずは取り皿に一杯ずつ取り分け、試食。

あれ?おいしいぞ。

 

トム・ヤム・クンはたしかに辛いし酸っぱい、私の苦手ジャンルの味なのですが、おそらくココナッツミルクとおぼしきものがその辛酸っぱさをうまくまろやかにまとめていて、なんだかイケます。

 

そしてグリーンカレー。

おお、わたくし、どうして今までこんなおいしいものを食わず嫌いしていたのかしら。グリーンカレー無しで生きてきた37年の人生を悔やんでも悔やみきれずにいると

 

「ああ、これは俺ダメだわ」

ココナッツミルク嫌いの夫が初リタイヤ。

 

めでたく残りのグリーンカレーを私がせしめ、夫は残りのトム・ヤム・クン(こっちはココナッツミルクがあまり前面に出ていないので大丈夫らしい)を担当することに。

 

円満解決。

夫婦の関係もこうありたいものです。

 

 

辛さに釣られてタマリンドジュースを飲みつくしたので、ドリンクを追加注文。

「バジルシードジュース」という、これまた初耳の飲み物に敢えて挑戦。

 

バジルシードジュース

 

これは小さな声ですが「うおー」と言ってしまいました。見ため的に。

黒いつぶつぶがバジルの種なんでしょうが、そのつぶつぶにはゼリー状の膜が。いろんなものを連想させます。

飲むと案外普通です。タマリンドよりも甘く、メロンソーダの炭酸抜きみたいな感じなので、このつぶつぶ食感がちょうどいい刺激になっています。

 

 

 

タイといえば、麺類も忘れてはいけないらしいです。

そこで「センレック・ナーム(タイ式つゆ麺)」を注文。

 

センレック・ナーム調味料

 

麺はセンヤイ(太麺)にしてみました。きしめんのような、コシのあるほうとうのような、さっぱりとした麺とスープです。

一味加えたい人用にと調味料(砂糖・酢・ナンプラー・唐辛子)が置かれ、そのままでも充分おいしかったのですが、よりタイ気分を味わうべくナンプラーを少しだけたらしてみました。

 

具の、白くて丸いものを里芋だと思い込んでいた私たちは、いざ食べて見るとあまりに想像と違った食感に笑ってしまいました。

白いものの正体は魚肉だんご。こちらもタイの定番食材なんだそうですね。

 

 

本当はチャーハンやタイスキなんかも食べてみたかったのですが、胃袋の容量にも限界があるのでまたの機会にするとして、最後はデザートです。

 

 

「本日のデザート」は

「サー・クー・ナムカティ(タピオカココナッツミルク)」とお好きなアイスの組み合わせ、ということだったので

「アイスクリーム・マムアン(マンゴーアイス)」に。

 

本日のデザート

 

さらにチョーシに乗って

「クルアイ・トート(揚げバナナ)」と

「カノム・モーケーン(タロ芋ココナッツミルクプリン)」も注文。

 

クルアイ・トートカノム・モーケーン

 

胃袋限界なんて誰が言った?と言わんばかりの大量注文です。

 

驚いたのは、マンゴーアイス以外は全部温かかったということ。

温かいタピオカココなんてわたくし初めてです。

 

全部おいしかったのですが、特に気に入ったのがタロ芋プリン。

毎日食べたいです。どこかに売ってないかしら。

 

デザートは全体的に、甘いんだけど甘すぎず、素材本来の甘みを生かしているといったかんじで、気がつくとあら不思議。すっかり平らげていました。

 

 

 

食は文化ですね。

海外に一度も言ったことがない私も、初のタイ料理を経験したことで少しだけ人間としての引き出しが増えたような、そんな錯覚を覚えてしまうものです。

 

同時に体重も、こちらは錯覚ではなく増えまして、元に戻るまで3日ほどかかりましたが、まあ、そこはそれ。

 

マイペンライ、マイペンライ。

タイ語で「気にすんな」という意味だそうです。






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